蓼藍(たであい)の乾燥葉で藍染をやってみた!

藍染の歴史

藍染に使われている藍は、一説では人類最古の染料ともいわれています。
もともとは中国東部、朝鮮半島、日本列島中央部周辺で青色の染料として重用されており、
日本へは約1500年前・奈良時代に中国から朝鮮を経て伝えられたとされています。
藍は、平安時代までは主に宮廷や上流貴族が身に着ける高貴な色とされており、
法隆寺や正倉院にも布類が多数保管されています。

また、藍を黒く見えるほど深く染めあげた濃紺色は、「褐色」(かちいろ)と言い、「勝ち」に通じ、
縁起をかつぎ武具の染め色や祝賀の時に用いられ、鎌倉時代には武士が「勝ち色」を身に着ける習慣が定着していました。
戦に出れば命を落とすことはもちろん、負傷する可能性もあることから、傷の化膿を防ぐ殺菌効果、
止血効果があるとされた藍染の下着を着ていたようです。なお、現在でも剣道着、袴など武道の稽古着などには藍染が施されています。

そして、藍染製品が庶民の間でも広まったのは江戸時代に入ってから。
江戸時代の庶民は華美を禁じられていたこと、そして木綿糸の量産により、
着物や作業着、のれんにのぼり、そして生活雑貨に至るまで、あらゆるものに
藍染を用いた製品が盛んに作られていました。

藍染の鮮やかで深みのある藍色(青)を「ジャパン・ブルー」と呼ばれるようになったのは、明治時代。
開国後に来日したイギリス人化学者、ロバート・ウィリアム・アトキンソンが、あちこちに藍を染料とした
青色が多くみられたことが印象に残り、そう名付けたと言われています。

その後、明治後期には安価なインドアイや合成染料が登場し、日本国内での生産量が激減。
さらに昭和の戦時中には藍が栽培禁止となり、藍の生産が途絶えてしまう寸前までになったこともあります。

藍染とは
藍染とは、日本で伝統的に行われてきた藍を用いた染色技法です。
寒色でありながら深みと温かみを感じる藍染の色は、世界各国で「ジャパン・ブルー」と呼ばれ、
私たち日本人にとって日本を表す特別な色でもあります。

藍の持つ効果
藍染に使われる藍とは、タデ科イヌタデ属の一年生植物で、別名はタデアイ(蓼藍)アイタデ(藍蓼)と呼ばれています。
藍は古くから解熱、解毒や抗炎症薬等に用いられる薬用植物として重宝されており、江戸時代には毒を持つ生き物にかまれた傷の治療に利用されていたという記録も残っています。
また蓼藍(たであい)を染料として用いる藍染生地には、消臭効果や細菌の増殖を抑制する効果、また紫外線防止効果や虫除け効果があるため、近年注目を浴びています。

・虫を寄せ付けない防虫効果
・汗臭さなどを抑える消臭効果
・アトピー性皮膚炎に優しい抗菌効果
・日焼けを防ぐ紫外線防止効果
・解熱・解毒・抗炎症薬としての効果

様々な効果を持つ藍ですが、藍は古くから薬草としても人々に親しまれてきており、栄養素が高いことから食品としても注目されています。
特にポリフェノールがブルーベリーの4倍含まれており、また食物繊維も豊富に含まれていることから、健康食品やサプリメント、飲料などにも応用されています。

2023年の春、庭の片隅で育てたタデ藍。葉っぱを天日で乾燥させたもので藍染めをしました。 すぐに染めない場合は、葉っぱを乾燥させて紙袋などで保存して、好きな時に藍染めを楽しむことができます。 今回、 乾燥葉は約200g。 いったいどのくらいの布を染められるか? まず、藍の乾燥葉100gづづ、ステンレス製の鍋に入れ、そこへ水を4L入れ、火にかけ沸騰させます。 藍の葉はアクが強いので、一番最初に煮だした液(1番液)は、布などで濾して捨ててしまいます。 2番液からは水2Lに、ソーダ灰とハイドロサルファイトをそれぞれ20gずつ入れて、藍の葉を入れ蓋をして火にかけます。(温度は50〜60度)布などで漉してしっかり絞ります。 藍の色の成分インディゴを取り出すためには薬品を使って液をアルカリ性にしないといけないので。そこで、2番液からは、ソーダ灰とハイドロサルファイトを入れて煮出します。 これを4番液まで繰り返します。 2番液から4番液をミックスしたもの。約6Lくらいになりました。この藍液の色は黄緑色です。この時点で、藍液の温度は50〜60度くらいで ゴム手袋をしてなんとか手を入れていられるくらいの温度です。 藍液の中で15〜20分、空気に触れないように注意しながら沈め、優しく泳がせます。最初は黄色〜黄緑色です。 布をおにぎり絞り(雑巾絞りはダメ)でしっかり絞り、ベランダで15分~20分ほど太陽と空気に触れさせます。 みるみるうちに青く染まっていくのが感動的です! 染めが終わりましたら、色止めに、水1Lに酢酸5cc見当で作った液に、 10分くらいつけて、よく洗って完成です。 しっかり繊維に染まるように、青く発色したらまた4回ほど同じ行程で染めを繰り返します。

庭の片隅で育てた蓼藍

 

乾燥葉、約100g煮だす

 

二手で煮だし中

 

布などで漉してしっかり絞る

 

約6Lの藍液が出来ました。

 

(染液が浸透しやすくなる)

絞りを入れた染布を水につけておき (染液が浸透しやすくなる)

 

 

藍液の中で15〜20分、空気に触れないように注意しながら沈めておく

 

染まるまで、腹ごしらえ!楽しみ!

 

絞りがキレイに入って染まったね!

 

大きな風呂敷も

 

シャツも!

 

シャツと手ぬぐい!